ツクバシリーズ

100V 電流でモータや電磁石を物理的に動かして音を出す。電動楽器「ツクバ・シリーズ」は、情報ではなく、物質によるマシン・ミュージックです。


電気で動く楽器

今日の音楽を眺めると、サンプラーやシンセサイザー、インターネットといったデジタル機器の普及によって、音楽が楽器という「物質」から離れ、「情報」として扱われるようになってきています。「私はこんなマニアックな音楽を知っている」「私はこんな風に原曲をリミックスした」「私はこんなにたくさん曲のデータを持っている」……これらはすべてスピーカーを通してしか存在しない、「情報の音楽」の楽しみ方です。

そんな時代に一石を投じるのが「Tsukuba Music」です。
100 ボルトで動く電磁石やモーターを使い、実際に物質を叩くことで音を発生させます( 図1)。それはかつての音楽が持っていたのに、現在あまりにも忘れ去られている事実―「そこから生の音が生まれてくる」、ということを、再び機械の力で復活させる挑戦です。



ツクバシリーズの3大要素

Tsukuba シリーズには3大要素があります( 図2)。
1.100 ボルト電流を使う。
2. 発音するのにスピーカーを使わない
3. 演奏方法がバカバカしい。



ツクバはアナログ・マシン・カラオケ

明和電機のコンサートでは、たくさんのTsukuba 楽器がMIDI 信号によって制御され、自動演奏を行っています。コンピューターから出力されたMIDI データを「MIDI-ACコンバータ」がAC100V に変換し、楽器を動かします( 図3)。ライブでは、そうした楽器たちの自動演奏に合わせて、社長や工員さんが歌い、踊ります。つまり一言でいえば、巨大なアナログ・マシン・システムによる「カラオケ」なわけです。



ツクバミュージックの名前

Tsukuba Music の名前の由来となった「Tsukuba」は茨城県にある科学技術都市「Tsukuba」から来ています( 図4)。
それはちょうど「リバプール」や「デトロイト」といった工業都市から、オリジナリティのある音楽のジャンルが生まれてくるのと同じです。日本の科学技術都市「Tsukuba」から、新しい音楽が世界にはばたくことを夢見て、名づけました。 「Tsukuba Music」 それは情報の音楽から、再び物質の音楽へと進化した、21 世紀の音楽の姿なのです。

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